このページでは、私についてと、団体におけるサイベリアンとサイベリアンそのものについて私が長年をかけて収集して来た事実に基づいたお話を、徐々に追記して行きたいと思います。
新しい真面目なブリーダーさん達にお役に立てれば幸いです。
猫は生まれる前から居ました。
病弱だったので、猫がお友達でした。階段の1段1段に片目の猫や片耳の猫が居たのを覚えています。みんな、元野良猫で怪我をした子達を拾って、母が育てていました。最後の元野良ちゃんは2023年の早春に長寿を全うして逝きました。
血統猫はサイベリアンの他にヒマラヤン、アビシニアン、サイアミーズ(シャム。ジャッジに成るために短毛種を飼います。IWを獲りました。)、チンチラシルバーを複数、あとスフィンクスをお預かりした経験があります。
最初のサイベリアンは1996年姉が飼ったロシアから来た子でした。それとは別に母が若い頃ロシア大使館に勤務していたのでロシア語ができ、料理や歌等身近な国でした。一緒に訪露しています。
後にショーに参加したり、ジャッジになるように進言してくれたのは、犬のブリーダー経験があった夫です。
ショーには2000年から参加して、ジャッジになってからも出陳し続けています。
ショーは情報量と内容が豊富である事。そして修学した第三者の評価を得る事は、自分の猫の欠点や長所を冷静に知る機会です。それが出来なければブリーダーとは呼べません。ただ、産ませるだけの人です。家の中だけで[うちの猫は世界一だーー]と叫んでいるに過ぎません。それでは何のために、神をも恐れぬ繁殖をするのか?わかりません。
自信があるなら、尚更堂々と出陳すると良いと思います。欠点の無い猫はいません。ブリーダーはそこを次世代で改善して行くものです。そのためにも、ショーは勉強する良い場所です。
ですがショーに出しているからと言って、イコール良いブリーダーだという事でも無いです。
審査のシステム上も、必ずしもスタンダードに近い猫だけが入賞する。という訳でもなく、ショーは比較競争なのです。
最初の輸入は1999年米国からでしたが、世界中でもまだ、ブリーダーは50人程でした。TICA&CFAに登録。CFAはまだ未公認でした。TICAは1993年ですがColour Point (以下CP)の扱いに混迷した時期がありました。元々、CPはSB(サイベリアン)では無かったからです。TraditionalというFull Colour geneの表現体をSBとして認め、劣性full Colour は何処からか持ってきたわけですから、別の猫種として公認するか?議論が絶えなかったのです。PSにおけるHIと似ています。
ですからCPのサイベリアンをまるで貴重種の様に扱って、高額で販売しているブリーダーやショップには疑問です。
CP因子は劣性ですが、CP同士で交配すれば子猫はすべてCPです。
何も珍しい事ではありません。ラグドールと同じ事です。それにCPの繁殖はTraditional 一般的なフルカラーと違って、注意しなくてはならない点があります。
サイベリアンはフルカラーが元々の猫です。今でも海外ではCPの因子を入れずに繁殖しているブリーダーさんもいます。
それはこの猫種を極めようとする同じ志を持った方の意志です。
CPはCPの良さがあって、その差はありません。CPもスタンダードは同じです。CPだから高額にするという考え方は商売上の利益を狙った物でしか、理由が見つかりません。
この様に団体によって仕分けは違っていましたが、現在はCP(ネヴァ•マスカレード)も同じ種類として組み込まれています。
ちなみに名前の由来はサンクトペテルブルクの中心を流れるネヴァ川から来ていると云われています。
CPのソリッドポイントの猫は仮面を被っている様ですよね。
サンクトペテルブルクには何度も訪れていますが、ジャッジでも招待されて行っています。ネヴァ川は幅40m位ある大きな川です。ずっと辿って行くと、支流は隣国のフィンランドへと続いて行きます。
私はサイベリアンの、あのたくましい体型の秘密のヒントが欲しくて、フィンランドへ行くのにわざと列車に乗りました。コンパートメントの個室です。当時のパスポートには可愛い列車のスタンプが国境で押されました。
車窓から見えたその風景は。。田園風景ではなく沼地でした。そうか!謎が解けました!
もし、メインクーンの様に長い脚を持っていたら、沼地に足がはまって抜け出せなくなったでしょう。
ネズミなどを主体に捕獲して食べていたとされる訳ですが、確かにサイベリアンは体つきに似合わず活発です。狩りに夢中になって身動き取れなくなった事でしょう。
二の腕が三角形の様に太く、短めの手足に見えるのが特徴です。
その秘密はこんな始まりから来ているのかも知れません。
少し時を変えて、私の猫が良くなった転機について記して置きたいと思います。
それには大きな出会いが2つありました。一つは90年代の世界的ブリーダー、ドイツ人のBarbara女史, Newskiji との出逢い。そして何と言っても米国人TICAジャッジの今は亡きCooncreole, Judy Chappetta 女史との運命的なご縁です。私はジャーマンオールドラインが大好きでした。当時、ドイツは世界のトップと言って過言ではありませんでした。多くのドイツのキャッテリーを訪問させて頂き、今も実感します。ドイツ人の動物の品種改良術は昔も今も素晴らしいです。
TICAのベストキャットをJudyのIrdyが獲って、私はSBグループの一員としてお祝いにアニュアルバンケットへ参加しに渡米しました。その時には既にIrdyの最初の息子を譲り受けていましたが、Judyに会うのもアニュアルに行くのも初めてでした。
何百匹の猫のショーに、トイガーが初めてお披露目されていて、ワクワクの連続でした。
そこでジャッジしているJudyの姿を見て、ジャッジに成ることを改めて意識したのを覚えています。彼女は逞しい体で暴れるベンガルを上手に扱っていました。
そして、バンケットへの出席。表彰式の素晴らしさ。ベストですからテーブルは大変に盛り上がりました。そこで私もこの場に立つ!!と決心してしまったのです。若気の至り。
ですが翌年、私は米国のアニュアルで、ベストサイベリアンを獲って(最終日まで米国人と競って)表章されに姉と渡米しました。
この当時は日本からはIWは無理でしたが、このあと、5頭のIWを出すことになります。アルマを入れると6頭です。
Judyが私を信頼し、託してくれたIrdyの直仔と、私の好きなジャーマンオールドラインを合体させることで、ALMAZの誇れるラインが出来上がったのです。
振り返ってみると、お二方も少し変わった人達でした。変人は変人を呼ぶのでしょう。Judyとは最期に近い瞬間まで一緒にショーホテルで過ごしたり、ヨーロッパや米国で一緒に行動しました。癌や怪我で満身創痍の彼女を少しでも助けようと、当時(トレイニージャッジ訓練生)だった私は、彼女のポーターとして荷物を運びながら、彼女の繁殖の考え方について学びました。
Barbaraは当時PDFファイルがあまり浸透していなかったので、ドイツからよく、FAXを送って絵を描いて色々猫学について説明をしてくれました。
始めた当時、世界中の誰も猫を送ってくれず、相手にされなかった私でしたが、熱意が伝わったのが大御所のこのお二人だった事は非常に幸せだったと思います。
続く
Coming soon
サイベリアンの子育てを23年やって来て、育成には独自の理論や方法があり、多少の自負を持っています。
勿論、生き物ですから、思うように行かないこともあります。常に謙虚に冷静な目で状態を客観視して、良い健康状態を保つ事に専念しています。
その前にまず、離乳期からの肉体の良い形成は非常に重要です。私はいつも[一生の健康を作っている時期]と位置づけています。生後1〜2ヶ月の時期の骨格&筋肉の育成は非常に重要で、後に差が出ます。子猫を選ぶ方は丸々太った子を選ぶと良いと言うのは、ざっくり言って、そういう事です。
この時期に私が実践していることは秘密です(獣医さんにも、聞かれますが)
内容は幾つもあります。皆さんが想像も付かない事もあります。誰にも教えたことがありません。自分で発見しました。
元々、猫をやる前に小型プレコやRREスーパーホワイトネオンロングフィングッピーなどをやっていたり、蘭、クリロもやっています。育てるのが好きです。親戚の北海道の牧場で過ごしていた時期もあって、馬の血統配合も研究しました。
猫の交配や配合も、イタリアの古い馬の調教師の残した文献を参考にしたことで、世界の評価を得ることになりました。
つまり、私はオタクで職人で変わり者です。[うちの猫はまだですか?]ってせっつかないで欲しいんです。この人に合う猫はこの子。この子はあの人に合う。と、分かるんです。ですから2年くらい経ってから[貴方の猫が生まれました]と、私から連絡が来てもビックリしないで欲しいのです。待っていて欲しいのです。
信じて任せて下されば、ちゃんと良いブリードをします。
長い年月の間には、家庭的な問題や病気もあり、猫を複数の家屋に分けて飼育したりした時期もあります。信頼していた猫関係の人達の酷い裏切りもありました。多くの苦難を越えられたのも、素晴らしい猫達が側に居てくれたからです。
それから私は私の考えで生きています。
苦難を越え、経営者として事業を成功させて、ビジネスが忙しくて繁殖を控えていたこともありましたが、猫数は少なくても猫のお手伝いさんを雇っています。
従業員さん達始め弁護士、会計士、保険屋、警察、各役所、建築家、色々な業者と付き合いがあるので、社会的常識で生きている時間と、そうで無い猫に関する私の常識で生きるマニアックな自分がいます。
猫に関しては、特にサイベリアンに関しては私の話を一旦、素直に受け取って下さい。私はプロフェッショナルです。
確かにバイヤーさんではありますが、ALMAZの価値を分かって下さる、相応しい人物だけが買ってくだされば良いと思っています。
猫を売って生活費にしている訳ではありません。むしろ差し上げることすらあります。
私はこの猫を極めようと、ブリーダーをやっています。値段は本物のプロの仕事への対価に過ぎません。それを分かって頂けたらと思います。
続く
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